この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
永眠を捨てた青少年
第2章 2
龍玄は土下座を続けている二人の前から離れて言った。
「鱒壱、厳高、聞いての通りだ」
二人の家来——鱒壱と厳高は土下座している髭面と馬面の前にそれぞれ静かに立った。
そして——
どちらもすばやく刀を抜いて真下に突き下ろした。
髭面と馬面のそれぞれ右手の甲が、真上からの刀に垂直に貫かれる。
土下座している二人が叫び声を上げた。
手の甲から刀が抜かれると、髭面はうずくまったまま全身を震わせ、馬面は地面の上をのたうち回った。
「仕切り直しだ、鱒壱、厳高」
龍玄に指示をされた鱒壱と厳高は同時に一礼した。
※ ※ ※
小霧は、鹿狩家屋敷の地下にある座敷牢で羽織袴姿で正座して目をつむっていた。
窓がないために今の時刻は分からないが、おそらく夕方あたりだろう。
羽織袴と打刀は捨てたと申告した。打刀を手放したことには家来はみな一様に軽蔑の眼差しを向けてきた。
当然だろう。
侍の命を軽々しく捨てたと言い放ったのだから。
「鱒壱、厳高、聞いての通りだ」
二人の家来——鱒壱と厳高は土下座している髭面と馬面の前にそれぞれ静かに立った。
そして——
どちらもすばやく刀を抜いて真下に突き下ろした。
髭面と馬面のそれぞれ右手の甲が、真上からの刀に垂直に貫かれる。
土下座している二人が叫び声を上げた。
手の甲から刀が抜かれると、髭面はうずくまったまま全身を震わせ、馬面は地面の上をのたうち回った。
「仕切り直しだ、鱒壱、厳高」
龍玄に指示をされた鱒壱と厳高は同時に一礼した。
※ ※ ※
小霧は、鹿狩家屋敷の地下にある座敷牢で羽織袴姿で正座して目をつむっていた。
窓がないために今の時刻は分からないが、おそらく夕方あたりだろう。
羽織袴と打刀は捨てたと申告した。打刀を手放したことには家来はみな一様に軽蔑の眼差しを向けてきた。
当然だろう。
侍の命を軽々しく捨てたと言い放ったのだから。