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レスさんとシンママちゃん【完結】
第16章 出張編 ママさんバレー

路面電車を降りて大きな駅へついた


ここは新幹線も停まる駅なので、まわりはビルだらけ

金融系の会社やら、高級ホテルなんかも隣接している

人の行き来も半端ない



特に日曜日の3時過ぎとあって、地元の人や観光の人など多種多様な格好の人を見かける


ここは戦争記念館などもあるので景勝地の旅行者だけでなく、大戦の爪痕を感じたい外国人の方々も多数こられるのです



中国人や韓国人などのアジア系や、白人、インド、アラブ系の人も多く見かける



駅に入って、在来線からの多くの人並みをかきわけて新幹線の入口のほうへまわる



チケットを買う前に、少し気持ちを鎮めようとベンチに腰掛ける



よく見えなかったけど、イツキは泣いていたかもしれない


イツキが泣いていたらタマキもツラかっただろうな


生々しく別れのシーンが何度も繰り返される


あれが良かったとは思わないけど、きちんと声をかけてやっても結果は同じだろう


イツキには〈家族が棄てられた〉トラウマを残させてしまったかもしれない



やっぱりボクがやっていることはとても残酷なことだだったのだ



やりきれない


後悔と罪悪感



自分の中で消化出来ないくらいムカムカしたものが溜まっていく



気持ち悪い



こんなところでは吐けない




また涙がこぼれてくる



駅を行き交う人に怪しまれないよう、タオルを頭にかける



暑くて休んでいるように見えるだろうか




ああ、もういちど駅を出て、路面電車に乗れば


またあの親子に会えるのに……!




なにか喪失感に似た気持ちになっていたとき、携帯が震えた



メールだ



もしかしたらタマキか?と思って開いてみたら

違う人だった



マナミさんでした



〈昼過ぎにお店の前を通りましたが、もう誰の車もありませんでした
 もう離れられましたか?〉



というものでした



〈いま新幹線のチケット売り場です
 いろいろありがとうござきました〉



と返すと




〈まだ間に合うのなら、待ってて〉


と書かれていました




どうせ、ボクはすぐに立ち上がりたくなかったのでやりきれない気持ちのまま座り込んでいました



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