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レスさんとシンママちゃん【完結】
第6章 レスさんとデート
「一緒に入りたかった?」
「ジロウ君って女慣れしてるわよね?
腹が立つわ」
「なんで怒るんですか、楽しいドライブだったじゃないですかぁ〜?」
「私たって楽しかったわよ!
なんかもてあそばれた気分だわ」
「ははは、楽しかったのならいいじゃないですか、
また行きましょうね」
「………」
返事がありません
本気で怒ったのかな?
しばし、無言
その後、赤信号で止まったとき、アキさんが口を開きました
「ジロウ君に遠距離の彼女さんが居なければ良かったのに!」
「ええっっ??」
「それでもってさ、私にあんな彼氏が居なかったら良かったのに!」
「ええっっ??」
数分後、アキさんと待ち合わせをしたショッピングセンターに到着しました
アキさんは絡ませていた腕をするりと抜いて、車をさっさと降りました
そしてくるりと車の前の方から運転席の窓側までまわってきました
ボクはウインドウを下ろします
「ジロウ君、本当に今日はありがとう
ちゃんと送ってくれて……、
やさしいけど、ズルいよ?
ごめんね、さっき変なこと言って、忘れて?
ちょっと愚痴を吐き出しただけだから!
だから、気にしないで!」
「ボクで良かったら、いつでも」
アキさんが指を差し出してきたので、ボクもその指を握り返します
「じゃあ、行くね? 本当にありがとうね」
アキさんはスカートを翻しながら、すっかり暗くなった街の中に消えていきました
帰り道、ボクはどうやら少しだけ、
少しだけ失敗してしまったのかもしれません……