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特別棟の獣
第10章 平和な日々

ある日の学食で──。


「百合はいつものでいい?」

「あ、今日はうどんにする」

「珍しいね、いつも日替わりなのに」

「今日寒いから」


それに女の子の日だから温まるものが食べたい。

毎回薬は飲むけど生理痛が酷いからなるべく身体は冷やさないようにしないと。

吏生は何も言わずにいつも腰を摩ってくれたり、心配してくれるからなんだか申し訳なくなる。


「百合今日女の子の日?」

「うん」

「薬は?」

「朝飲んだよ。ご飯食べたらまた飲む」


ほら、少しいつもと違うだけですぐ気付く。

こんな吏生の優しさがすごく落ち着く。


午後の講義まで時間が空くと部屋に連れてきてベッドで寝てなとか、ソファに座ってると、どこ痛い?って聞いてくる。


「吏生、大丈夫だよ」

「でも先月寝込んでたから」

「今回は大丈夫そう」


気持ちが嬉しいから少しお腹が痛いのくらい我慢できる。
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