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特別棟の獣
第11章 ストーカー
─────────…


土曜日になって、百合の部屋に行くと髪の毛をセットしているとのろだった。


俺を見ると「スーツかっこいいね」と頬を赤らめた。

なんだろ、この可愛い生物。

監禁したいレベルなんだけど。


最近は俺が百合の部屋に来ることが多くなった。

スペアのカードキーを渡してくれてから、暇さえあれば百合の部屋に来てる。

俺の部屋と違って白を基調としたエレガントな部屋は百合に似合う。


大学生が住む部屋には高級過ぎって思ったけど、百合が朝倉コーポレーションの令嬢なら納得できる。


「吏生、後ろのファスナー閉めてほしいんだけど」

「いいよ、こっちおいで───え…」



どうしよ……


可愛すぎる………


今回は水色のドレスか…



いや、そんなことより露出度がヤバすぎる。

袖がない…

胸から上は肌出ちゃってる…

それは前回もそうだったかな…


あー…頭がテンパってきた…


「吏生?」

「あ、ごめんごめん。ファスナーね、はい」

「どうしたの?」

「やっぱり行くのやめる?」


何言ってんだ俺…


「ドレス、似合わないかな…?」


違う、違うよ。

百合を誰にも見せたくないなんてかっこ悪いこと言えないでしょ。


「似合ってるよ。シンデレラみたい」

「え……それはちょっと言い過ぎ…」


天然なのかな、

無自覚なのかな、

こんなに綺麗な人いないでしょ。




これから先、心配事が増えそう…────
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