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特別棟の獣
第11章 ストーカー
「百合行こうよ、前と会場同じだから気に入ってた生チョコ用意してもらってるし」

「え……どうしよ…」


さっきまで行かないような素振りだったのに、チョコがあるって言えば揺らぎ始めた。

可愛くない?

大好きなチョコに揺れちゃうんだから。

あ、でもそれって俺がチョコ以下って事…?

それは嫌だな。


「本当にお兄ちゃんも来る?」

「来るって言ってたけど、確認してあげるね」


スマホを出してお兄さんに電話をすると直ぐに出た。


『もしもし?』

「あ、お兄さん久しぶりです。今週のパーティー来ますよね?」

『そのつもりだけど』

「百合も連れてくんで」

『百合が?よく行くって言ったな』

「じゃあそういう事なんで、また土曜日に」

『はいよ〜、百合によろしくな』



電話を終えて百合を見ると、

「お父さんの会社以外のパーティーに行くの初めてなんだけど大丈夫かな……」

と心配そうにしている。

朝倉コーポレーションのパーティーに比べたら他の会社なんて気にならないと思うけど。
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