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特別棟の獣
第12章 嫉妬……?
会場に入ると、既に始まっていたパーティーは人が沢山いた。


私も吏生も、大学を卒業するまでは、参加はするけど特にすることもない。

だからケータリングを楽しんだり、雰囲気を見る程度。


そんなことよりお父さんとお兄ちゃんどこだろう。

身長が低めの私はヒールを履いていても、探すのに一苦労する。


吏生は「あーいたいた」と私を連れて歩き出す。


着いた先は、お父さんのところだった。


「お久しぶりです、お父さん」


あれ…?吏生とお父さんって知り合いだったの……?


「吏生くんじゃないか。もしかして百合は桐谷のとこの長男と付き合っていたのか?」

「え?あ…うん」


そう言えば彼氏がいることも言ってなかったな…


「やるじゃないか〜!将来有望だな〜」

「それは百合さんを将来譲ってくれるってことでいいですか?」

「ハハッ!そうだな、考えてやってもいいぞ」

「だって、百合。婚約しちゃう?」

「えぇ!?」


何を言ってるの………


私がポカンとしていると、後ろから

「お前……、それだと逆玉の輿になるぞ…」

と呆れたような声が聞こえた。


振り返ると吏生のお父さんがいて「バカ息子がごめんね、百合ちゃん」と言われた。

「桐谷さん、ご無沙汰してます」


まさか吏生のお父さんだとは思わなかったけど、パーティーで何回か挨拶をしたことがある。
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