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特別棟の獣
第15章 離れる心
〈吏生 side〉
來と別れてエレベーターに乗って袋の中身を見ると、体温計や風邪薬が入っていた。
今日俺が百合にLINEしても返事は1回も返ってこなかった。
來とは連絡を取り合ってた…?
そうだとしたら、なんで俺の連絡は返さなかった?
でもそれは後回しだ。
とりあえず百合の部屋に行こう。
スペアのカードキーで百合の部屋に入ると、リビングに百合はいなかった。
静かに寝室に入ると、ドアの方に背を向けてベッドの隅の方で小さく丸まって寝てる百合がいた。
少し苦しそうに寝てる百合の額に手を当てると、結構体温が高いことが分かる。
「百合、熱測るよ?」
袋の中から体温計を取り出して声を掛けても起きる気配はない。
暫くすると体温計がピピピと音を出し、百合の脇からそれを抜いた。
38.6………?
高すぎだろ……
「百合、起きて」
まだ病院はやってる時間だし、病院の薬の方が効き目は早い。
「ん……ケホッ…」
「百合、病院行こ?」
「…………帰って」
え……?
一言だけ言うと、俺に背を向けて布団にくるまってしまった。
俺に移すとでも思ってる?
この時、俺は百合のことしか考えてなくて、今日起きたことなんて頭から消え去っていた。
アレを百合が見てたなんて──…
來と別れてエレベーターに乗って袋の中身を見ると、体温計や風邪薬が入っていた。
今日俺が百合にLINEしても返事は1回も返ってこなかった。
來とは連絡を取り合ってた…?
そうだとしたら、なんで俺の連絡は返さなかった?
でもそれは後回しだ。
とりあえず百合の部屋に行こう。
スペアのカードキーで百合の部屋に入ると、リビングに百合はいなかった。
静かに寝室に入ると、ドアの方に背を向けてベッドの隅の方で小さく丸まって寝てる百合がいた。
少し苦しそうに寝てる百合の額に手を当てると、結構体温が高いことが分かる。
「百合、熱測るよ?」
袋の中から体温計を取り出して声を掛けても起きる気配はない。
暫くすると体温計がピピピと音を出し、百合の脇からそれを抜いた。
38.6………?
高すぎだろ……
「百合、起きて」
まだ病院はやってる時間だし、病院の薬の方が効き目は早い。
「ん……ケホッ…」
「百合、病院行こ?」
「…………帰って」
え……?
一言だけ言うと、俺に背を向けて布団にくるまってしまった。
俺に移すとでも思ってる?
この時、俺は百合のことしか考えてなくて、今日起きたことなんて頭から消え去っていた。
アレを百合が見てたなんて──…