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特別棟の獣
第15章 離れる心
電話を切って、目に入ったのはテーブルの上に置かれた本だった。
昨日までは無かった。
小説が2冊に、秘書の参考本が1冊。
大学の図書室に来てたのか…
今まで百合に束縛みたいに男と喋るなとか、近づくなとか言っといて、俺が他の女とキスしてればいい気はしないよな。
少しでも話ができるなら早く誤解をとかないと…
百合の体調も気になるし。
再び寝室に入ると、百合はまたドアの方に背を向けながら寝ていた。
でもさっきと違うのは百合が苦しそうにしてる事だった。
ベッドの横に置いた薬を飲んだ形跡もない。
「百合?」
ヤバいな…
とりあえず熱をもう1回測るか。
電子音がして体温計を抜くと、
39.2……
「百合っ、起きて薬だけ飲んで」
「やっ…来ないで…」
百合に拒絶されると心臓を鷲掴みにされてるような感覚に陥る。
でもここで引く訳にもいかない。
「頼む、薬飲むだけでいいから」
どんなに頼んでも拒否されるし、少しでも百合に触れると悲しそうな顔をされる。
こんなことしたら嫌われるかもしれないけど…
「ごめん、少し我慢して」
そう言って百合の口の奥に薬を捩じ込んで、口移しで水を勢いよく流し込む。
そうすれば嫌でも飲み込むしかないから、薬も無理矢理飲ませられる。
百合は目尻から涙を流して放心状態だった──
昨日までは無かった。
小説が2冊に、秘書の参考本が1冊。
大学の図書室に来てたのか…
今まで百合に束縛みたいに男と喋るなとか、近づくなとか言っといて、俺が他の女とキスしてればいい気はしないよな。
少しでも話ができるなら早く誤解をとかないと…
百合の体調も気になるし。
再び寝室に入ると、百合はまたドアの方に背を向けながら寝ていた。
でもさっきと違うのは百合が苦しそうにしてる事だった。
ベッドの横に置いた薬を飲んだ形跡もない。
「百合?」
ヤバいな…
とりあえず熱をもう1回測るか。
電子音がして体温計を抜くと、
39.2……
「百合っ、起きて薬だけ飲んで」
「やっ…来ないで…」
百合に拒絶されると心臓を鷲掴みにされてるような感覚に陥る。
でもここで引く訳にもいかない。
「頼む、薬飲むだけでいいから」
どんなに頼んでも拒否されるし、少しでも百合に触れると悲しそうな顔をされる。
こんなことしたら嫌われるかもしれないけど…
「ごめん、少し我慢して」
そう言って百合の口の奥に薬を捩じ込んで、口移しで水を勢いよく流し込む。
そうすれば嫌でも飲み込むしかないから、薬も無理矢理飲ませられる。
百合は目尻から涙を流して放心状態だった──