この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
特別棟の獣
第3章 お気に入り
「離して下さい…」
「なんで?そんなに嫌?」
「嫌です」
「即答とか…ショックなんだけど」
全然ショックを受けてるようには見えないけど…
それより今何時だろう。
窓の外は薄暗くなってるから夕方なのかな…
どうやら長い時間寝てしまっていたみたい。
重い身体にムチを打って起き上がると、吏生さんも起き上がった。
「喉乾いてない?水あるよ」
正直、喉はカラカラ。
すぐにでも水は飲みたいけど、この部屋から出たくてしょうがない。
急いでバッグを手に取り、ドアへ早足で歩いていくと「待って」と呼び止められた。
それでも足を止めることなく、ヒールを履く私を見て急いで近づいてくる。
「送るから」
「やっ…、触らないで…ッ」
掴まれた腕を力いっぱい振り払って部屋を出た。