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特別棟の獣
第3章 お気に入り

「離して下さい…」

「なんで?そんなに嫌?」

「嫌です」

「即答とか…ショックなんだけど」


全然ショックを受けてるようには見えないけど…

それより今何時だろう。

窓の外は薄暗くなってるから夕方なのかな…

どうやら長い時間寝てしまっていたみたい。


重い身体にムチを打って起き上がると、吏生さんも起き上がった。

「喉乾いてない?水あるよ」


正直、喉はカラカラ。

すぐにでも水は飲みたいけど、この部屋から出たくてしょうがない。


急いでバッグを手に取り、ドアへ早足で歩いていくと「待って」と呼び止められた。

それでも足を止めることなく、ヒールを履く私を見て急いで近づいてくる。


「送るから」

「やっ…、触らないで…ッ」


掴まれた腕を力いっぱい振り払って部屋を出た。
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