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熱帯夜に溺れる
第6章 泳げない魚たち
 身体の汚れを拭いてもらった後、莉子は欲を放った後のくたびれたペニスに触れた。まだ後処理をしていないペニスの先端に彼女は口をつけてエクスタシーの名残を舐め取る。
 見た目にもグロテスクな射精後のペニスは、莉子に舐められた途端にまた欲を溜め始めた。

「男は単純だな」

 頭上で彼の溜息が聞こえた。莉子に咥えられてみるみる元気になる自分の分身を見下ろして純は失笑している。

「女も単純だよ」

 特に美味しくもないのに美味しそうにペニスを咥える莉子も、欲望に逆らえずに莉子を抱いた純も、この世の男も女も、大人も子供も、みんな浅はかで、愚かだ。

 純の味でいっぱいになった莉子の唇に純は労《ねぎら》いのキスを送る。
 口内では精液の名残と純の唾液が交ざり合い、莉子はそれを自分の唾液と共に飲み込んだ。

 今度は後ろから純が入ってきた。次はコンドームをつけたペニスがうつ伏せに寝そべる莉子を後ろから押さえつけて暴れている。

 莉子の背に覆い被さる純は強弱をつけて律動を刻みながら舌先を彼女の耳朶に滑らせた。熱い彼の吐息をふうっと耳に吹きかけられると、感じた莉子の膣がペニスをきゅっと締め付けた。

「凄い締まってきたね……ンッ」
「ァアッ、アッアンッ! そこ、気持ちいい……」

 枕に顔を埋め、シーツを握りしめる莉子の華奢な手に純の大きな手が重なった。背中には純の胸板の質感を感じる。手も背中も結合部も、隙間もないくらいに純と密着できるこの体位が莉子は好きだった。

 互いの身体を貪るふたりは竹倉純でも佐々木莉子でもない、男と女。雄と雌。
 そこからも莉子は犯され続けた。1日で何度も純に抱かれたのは今日が初めてだった。

 こんなことをして何の意味があるのかと蔑《さげす》むもうひとりの莉子が、純に夢中になる莉子を心の奥底で嘲笑う。

 意味がないから意味を持たせようとするの?
 これはどれだけ愛し合っても離れることを決めている男と女の、最後の愛の確認作業。

 ふたりは泳げない魚。どこにもいけず、熱帯夜の海に溺れる哀れな魚たち──。
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