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熱帯夜に溺れる
第3章 熱帯夜に溺れる
 ふたりはどこまで行っても男と女
 雄と雌だ。 雄のスイッチと雌のスイッチが入った時、ふたりはただの欲をむさぼる獣になる。

「ごめん。今日はできない」
「どうして?」
「避妊ができないんだ」
「コンドームがないから?」

 純が頷いた。コンドームをつけても確実に妊娠が防げるわけではない。
 でもつけずに行為に及べばどうなるか、純は万が一を想定している。

 責任をとると軽々しく言う男が多いが、実際には産むのも女、堕ろすのも女。身体と心を傷付けるのはいつだって女側。

 だから今日はできないと判断する純はコンドームをつけずにしたがる男よりも、よっぽどいい男だ。でも今日の莉子は引き下がらない。

「私、持ってるよ」
「持ってるって……」
「持ってきてるの。だから大丈夫だよ」

 女は時に、打算的で計画的な生き物だ。女の欲は恐ろしく底がない。

「莉子には負けたよ」

 男の色が強くなった純が莉子のTシャツをたくしあげ、一気に脱がせた。Tシャツの覆いがなくなって露になった莉子の下半身を見て彼は慌てて顔を背けた。

「パンツも履いてなかったの?」
「脱いできた」

 Tシャツを脱いだ今の莉子は純と同じく、一糸まとわぬ姿だ。莉子の裸体を下から上へ、上から下へと眺めた純は、力無く笑った。

「この身体を前にして今までよく我慢したと思うよ」
「だから我慢しなくてもよかったのに」
「男にそんなこと言うと、後で後悔するよ?」
「純さんになら、何されても後悔しないよ」

 情事の前の意味のない会話は、炭酸の抜けたメロンソーダみたいに甘ったるい。

 バスタオルに身を包んで洋間に戻ったふたりはそのままベッドに倒れ込み、再び唇を重ねた。

 長いキスを繰り返す最中、丁寧な手つきで髪を撫でられる。
 男の大きな手がまだかすかに湿り気を帯びる長い髪を優しく梳いて耳にかけ、露出した莉子の耳たぶに純の唇が接触した。
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