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熱帯夜に溺れる
第3章 熱帯夜に溺れる
 莉子は純の背中の皮膚に舌を這わせた。もうそこに存在しない、けれど一生存在し続ける傷痕を、舌先でぺろりと舐めてみる。
 莉子の舌が背中を這った瞬間、純の肩がビクッと跳ねた。

「何してるの?」
「傷痕を舐めてるの」

 どこにあったかもわからない見えない傷痕。莉子の背丈では背中の半分しか届かない。
 背伸びをして肩の近くまで舐めて、立ち尽くす純の前に回り込んだ。

「本当、何をやらかすかわからない子だね」
「よく言われます」

 恋人同士が今からキスをします。いいですか? と許可を求める必要はない。
 最初に動いたのはどちらだった?
 最初に近づいたのはどちらだった?

 気付いた時には莉子の唇は純の唇に覆われていた。最初は唇を軽く触れ合わせるだけだったキスが、次第に甘く深く繋がった。

 雄のスイッチが入った男を侮ってはいけない。それは唇の触れ合いと言うよりも唇を食べられている気分だった。

「っ、んんっ……あっ……」

 息継ぎの合間に漏れる莉子の甘ったるい声と唇から奏でられるリップ音が浴室に反響する。

 やはりこの男は間違いなく女経験を積んでいる。気持ちよくて身体の奥がとろけてしまうキスに翻弄され、頭がくらくらした。

 何度か深いキスをして視線を下ろした純の視線が莉子の胸元に注がれる。彼は莉子の豊かな膨らみに手を触れて、困った顔をしていた。

「これって俺を誘惑してる?」
「だって、こうでもしないと純さんは手を出してくれないでしょう?」
「ごめんね。大事にしたかった……なんて言い訳だな。本音は、がっついていると思われたくなくて……。そういうことはもう少し関係を深めてからにしようと思っていたんだ」

 純に借りた白のTシャツはすっかり濡れてしまって肌が透けていた。下着を身につけていない莉子のEカップの胸はその形や大きさ、乳首の盛り上がりまで生々しく浮き上がらせている。

 莉子は胸元に触れる純の手に自身の手を重ねる。

「がっついてるなんて思わないよ。私に魅力がないからエッチな気分にならないのかなって、落ち込んでたもん」
「莉子に魅力がないとは思っていないよ。むしろ魅力的過ぎて、こっちの我慢が大変だった」
「我慢しなくてもいいよ。……しよう?」

 誘惑の一言を放ったのは莉子。
 一度解放してしまった衝動は止められない。抑えられない。
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