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熱帯夜に溺れる
第4章 酔芙蓉の吐息
 しかし気付いた時には莉子と唇を重ねていた。触れ合うだけのスライドキスを繰り返した後、莉子の唇を舌先でなぞった。
 口紅を塗らなくても血色の良い莉子の紅の唇は普段よりも乾いていて、乾燥した唇を己の唾液で湿らせる。

 薄く開いた莉子の口内に舌を差し込み、彼女の舌を絡め取る。どちらのものかわからない唾液が口の端から垂れるのも構わずにふたりは互いの唇を貪った。

「んぅ、チュ、……んっ、チュゥ……」
「チュゥ……、ハァ……、やっぱり口の中も熱いね……」

 キスの合間に莉子のキャミソールをめくりあげ、露出した柔らかな胸を手のひらで包む。普段よりも体温の高い彼女の肌をそっと撫でた。

 真っ白な双丘の中心に咲く、ふたつの紅の蕾が純を待ち構えている。汗が滲んだ莉子の首筋に舌を這わせながら、手のひらで包み込んだ乳房の中心を人差し指で軽く突いた。

「……アンッ! ……アッ」

 快感に満ちた莉子の声を聴けば聴くほど彼女の色香に酔ってしまいそうだ。またベッドが軋んだ直後、莉子の胸に純は顔を埋めた。

 純の唇が押し当てられた胸の谷間には真っ赤な花弁が花開いていた。前回の情事で刻みつけたキスマークの上にまた、新しい花弁を散らせる。

 舌先で乳輪を辿って、その先にある勃ち上がった紅の蕾を口に含んだ。莉子の乳房を拭いていた時から、しゃぶりたくてたまらなかった乳首を夢中で吸い上げる。

「チュパ……チュパ、チュゥ」
「アッ……、ァンッ」

 首筋も鎖骨も乳房も、せっかく汗を拭いて綺麗にした莉子の身体はみるみる純の唾液で濡れてゆく。

 乳首を舌先で転がす最中に莉子の股間に指を忍ばせた。クチュ……、グチュ……、入り口から奥へ、湿潤に呑み込まれた指がナカで動くたびに莉子の蜜壺は大量の愛液を噴き出した。

「ハァハァ、純さぁ……ん、アッ」

 先ほど純がめくりあげたキャミソールは、莉子自身が脱いでしまってベッドの下でくしゃくしゃになっていた。自分の汗と純の唾液で湿った裸体をくねらせた彼女は両脚を大きく広げて純を誘う。

 これは不可抗力による敗北だ。好きな女の裸体を前にして平常心を保てる男はいない。
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