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木の実を集めて君にあげる
第4章 瑞樹ちゃんとのキス
帰宅して、瑞樹ちゃんの家で待たされたお菓子の箱を母さんに渡した。
「本当に女の子は良いわよね。
クッキーもマドレーヌも美味しそうね。
こういうのを一緒に焼いたりして…」と、
嬉しそうな顔をしていたけど、
僕は殊更つまらなそうな顔をした。
「瑞樹ちゃん、可愛くなってたでしょ?
最近、会うことなくて。
都内に住んでるのよね」
「えっ?
母さん、知ってたんだ」
「そりゃ、瑞樹ちゃんママとは、
お茶のお稽古もご一緒してるし、
よく会うもの」と言われて、
なんだよ、先に教えてくれよと思った。
「お夕食は?
あら、一緒に食べなかったの?
そう。
門限8時。
やっぱり、ちゃんとしたご家庭ですものね」と言いながら、
夕食の支度をテキパキしてくれる。
僕はぼんやり母親の話を聴き流しながら、
黙って食事をした。
いつもの習慣で、
食器を下げて洗うと、
「やっぱり、家事くらい手伝わないとね。
上の2人は甘やかし過ぎたわ。
悠ちゃんだけは、手伝ってくれて安心。
これくらいしないと、
結婚、今時、難しいもの」と笑う。
外では僕のことを悠介さんって呼ぶくせに、
家の中では「悠ちゃん」と呼ぶ母さんも、
僕のこと、甘やかしてると思う。
上の兄貴は見合い結婚をしたけど、
ほどなく離婚してた。
理由は聞いてない。
下の兄貴は、
仕事でずっとアメリカに居る。
ニューヨークの弁護士資格を取った後、
ロスに引っ越して、そっちの弁護士資格を取って、
父さんの弁護士事務所のアメリカ事務所をやってる。
結婚の話は、聞いたことがなかった。
まだまだ瑞樹ちゃんの話をしたそうな母さんを残して、
僕は部屋に入って、パソコンを起動した。
「本当に女の子は良いわよね。
クッキーもマドレーヌも美味しそうね。
こういうのを一緒に焼いたりして…」と、
嬉しそうな顔をしていたけど、
僕は殊更つまらなそうな顔をした。
「瑞樹ちゃん、可愛くなってたでしょ?
最近、会うことなくて。
都内に住んでるのよね」
「えっ?
母さん、知ってたんだ」
「そりゃ、瑞樹ちゃんママとは、
お茶のお稽古もご一緒してるし、
よく会うもの」と言われて、
なんだよ、先に教えてくれよと思った。
「お夕食は?
あら、一緒に食べなかったの?
そう。
門限8時。
やっぱり、ちゃんとしたご家庭ですものね」と言いながら、
夕食の支度をテキパキしてくれる。
僕はぼんやり母親の話を聴き流しながら、
黙って食事をした。
いつもの習慣で、
食器を下げて洗うと、
「やっぱり、家事くらい手伝わないとね。
上の2人は甘やかし過ぎたわ。
悠ちゃんだけは、手伝ってくれて安心。
これくらいしないと、
結婚、今時、難しいもの」と笑う。
外では僕のことを悠介さんって呼ぶくせに、
家の中では「悠ちゃん」と呼ぶ母さんも、
僕のこと、甘やかしてると思う。
上の兄貴は見合い結婚をしたけど、
ほどなく離婚してた。
理由は聞いてない。
下の兄貴は、
仕事でずっとアメリカに居る。
ニューヨークの弁護士資格を取った後、
ロスに引っ越して、そっちの弁護士資格を取って、
父さんの弁護士事務所のアメリカ事務所をやってる。
結婚の話は、聞いたことがなかった。
まだまだ瑞樹ちゃんの話をしたそうな母さんを残して、
僕は部屋に入って、パソコンを起動した。