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木の実を集めて君にあげる
第8章 どうやったら護れる?
もう一度、宇田川亮平の病室に入ることが出来た。

眠っていて、声が届くのかも判らなかったけど、
自分自身にも宣言するつもりで、
「瑞樹ちゃんと子供は、
僕が守るから」と耳元で伝えた。


病院を出た先にあった花屋で、
江川さんは淡いピンクの薔薇の花束を買って、
「これ、瑞樹ちゃんに渡してあげて。
瑞樹ちゃん、頼んだよ?
それと、何かあったら連絡して?
こっちも、亮平に何かあったらすぐに連絡するから」と言った。


江川さんにとっても、
瑞樹ちゃんは淡いピンクの薔薇のような存在だったんだと思った。


病院に戻る前にデパ地下に立ち寄って、
癖のない、するりと食べれそうなモノやカットフルーツ、
それに、水羊羹と水饅頭を買って行った。

ナースステーション用に、
クッキーの詰め合わせも買って行って、
「皆さんで休憩時間にどうぞ」と一番年配の看護師さんに渡すと、
「まあ、お気遣いなく!」と言われたけど、受け取って貰えた。


やっぱり食欲はないと言われて、
曇った顔をすると、
手に持っていた和菓子屋の紙袋を見て、
「そこの水羊羹とかなら、つるりと食べれるかもしれませんね?
優しいご主人様ね?
お若いのに!」と言われた。


病室に入ると瑞樹ちゃんは天井をぼんやり見つめていた。


僕の方を見ると、
江川さんが何て言ってたかとか、
亮平さんは?と心配そうな顔をするから、
僕はまずは、これ、食べようねと買ってきたものを並べた。

「ちゃんと食べないと」と言っても、
なかなか食べられないから、

「僕が食べさせてあげようか?」と戯けて言うと、
瑞樹ちゃんは心配させないようにと思ったのか、
少しずつ、一生懸命食べてくれた。


水羊羹も結構食べれたから、
少しホッとして、
残りはまた、僕が平らげた。


お手洗いに行くのも掴まりながらで、
手伝ってあげて、なんとか用を足して、
歯磨きも出来て、
また、ゆっくりベッドに横たわった。


話をしなくちゃいけないけど、
どこまで話すか?
なんて言えば良いのか?

僕は泣かずに上手く話せるのか?


取り敢えず、灯りを消して、
少しずつ話をしようと思って、
ベッドを近付けて、
ライトを消して隣に横になった。
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