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not erotic love stories
第3章 メモ:雨宿り(第一話)待たされている女
「専務、企画書の作成を終わりました」
美しい指と共に差し出された書類に挟まれたメモに、チラリと視線を送った瀬川は「ああ」と言ったきり、再び別の書類を読むのに没頭していった。
女が自分の席に戻り暫くしてから、瀬川は顔を上げてチラリとメモを読むと、クシャッと丸めてゴミ箱に捨てた。
礼子はその仕種を遠くで見つめながら又ため息をつくと、やるせなくキーボードのホームポジションに白い指を置いた。
ふと窓を見ると、雨が降りだしたのか高層ビル群がガラスの雨足に少し歪んで見えていた。
ただ、雨音は社内の喧噪で礼子の耳に聞こえそうもなかった。
美しい指と共に差し出された書類に挟まれたメモに、チラリと視線を送った瀬川は「ああ」と言ったきり、再び別の書類を読むのに没頭していった。
女が自分の席に戻り暫くしてから、瀬川は顔を上げてチラリとメモを読むと、クシャッと丸めてゴミ箱に捨てた。
礼子はその仕種を遠くで見つめながら又ため息をつくと、やるせなくキーボードのホームポジションに白い指を置いた。
ふと窓を見ると、雨が降りだしたのか高層ビル群がガラスの雨足に少し歪んで見えていた。
ただ、雨音は社内の喧噪で礼子の耳に聞こえそうもなかった。