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not erotic love stories
第4章 雨音:雨宿り(第一話)待たされている女
「お父ちゃんか・・・まっ君がそう言うんならな」
やがて小さな鼾をかき始めた。
女はそっと、スタンドの電気を消した。
暗闇の中、人形をじっと見つめている。
雨の音が男の寝息と重なっている。
今度男はいつ、来るのであろう。
人形は何も言わず、奇妙な微笑みを女に投げかけている。
(今年で二十九・・・か)
女はため息をつくと、シーツをたぐりよせた。
(寒いわ・・・二人なのに・・・)