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not erotic love stories
第80章 再びエスカレーターで:チュー、したい!
「だって、だってぇ・・・。」
夫の右手が持つ松葉杖の先の包帯で巻かれた足を見ると、本当に無事だったことが奇跡に思えるからだ。

「レントゲンもMRIからも異常は見えられません。おそらくショックで意識をなくされたのでしょう。足は骨折してますが複雑なものではないので、回復にも時間はかからないと思います・・・。」
私と同じく不安そうに説明を聞いていた川本さんも、ホッとした表情で胸をなでおろした。

誠実な人柄が好感を持て、夫をひいたことに対する恨み等、わくことはなかった。
だから、壊れた携帯電話の修理代と治療費の他は、慰謝料等は受け取らないことにした。

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