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第137章 生徒会：初めてのバレンタインチョコ

僕は聞き返す勇気がないまま、返事をしていた。

「駅伝・・・試合が終わって帰るのが、午後・・・三時くらいになるけど・・・・」
僕は時間の計算を頭の中でしながら、たどたどしく言った。

「それなら・・・・先に・・・これ・・・」
彼女が僕に、恥ずかしそうに一通の手紙と小さな包みを渡してくれた。

「は、恥ずかしいから・・・試合が終わってから・・・見て・・・」
俯いた顔が震えているのが分かった。

「ぜ、絶対・・・見ちゃあ・・・だめっ・・・よ・・・」
泣きそうな表情に、僕は素直に逆らえない気持ちになった。

「う、うん・・・」
受け取った封筒を握りしめ、僕の声も震えていた。

「じゃあ、明日ね・・・」
石井さんはうつむいたまま教室の入口まで駆け寄ると、振り返った。

「駅伝・・・頑張ってね・・・」
微笑んだ口元から白い歯がこぼれていた。

クラスの中でも目立って白い肌が、真っ赤に染まっていた。
僕はその顔が凄く、美しいと思った。