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第142章 第142章エピローグ：初めてのバレンタインチョコ

中学三年生の白黒写真が並んでいる。
小さな四角い画面にマジメそうに映っている少年少女の顔が合った。

妻の顔を見つけると、僕の胸にジワッとした感触が沸き上がる。
今でも可愛いと思える大好きな顔だ。

石井智子は真面目でクールな表情で映っていた。
腫れぼったい厚い目蓋は今と同じだ。

下段で四角い顔をしている僕がいる。
彼女の将来の夫だ。

妻は、あの頃の石井さんが強い口調で言った。

「本当に・・・傷ついたんだから・・・ひどいわ・・・」
アルバムを閉じ、僕の胸にぶつけるように身体を預けてくる。