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第10章 告白：雨宿り（第一話）待たされている女

「今まで、僕には勇気が無かった・・・。でも今ハッキリ分かったんだ。君を、愛している。君を奪える強い男になる。それまで、時間をくれないだろうか。少しだけ・・・。僕はもう、何年も待っていたんだ」

女の中で、何かが弾けた。

男が噛み締める様に言った言葉を受けとめると、礼子はその胸に飛び込んでいった。
そうして最後の涙を振り絞るように、顔をうずめている。

女の細い肩が小刻みに震えている。