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月あかりの夜
第5章 胸の高鳴り
月曜の朝になった。腫れぼったい眼で新聞を取りに出る。秋の穏やかな朝の日差しが射している。
向かいの家はそこだけ沈んでひっそりとしている。
二階屋の窓は閉じられて暗い。何かを隠すように屈伸運動をして家に戻る。
誰も出てこないからだ。
そのまま、支度をして出掛けることにする。
何時もの時間に出て重い足取りで駅についた。
なにごとも無く誰も現れなく乗車列にならんで喧騒のなか押されて電車に乗った。
電車の中は月曜から疲れた中年オヤジばかりである。
混んでいても流れに乗っていて揺れる方向に波のように揺れる。何時もこれなら筋やあばらを痛めることはない。
海流に揺れる昆布は力が抜けていて安全である。満員電車も同じに重力には逆らうことはない。
途中駅に止まって、更に人々が乗り込んでくる。
ぼーとしていたら大きな人流の塊が襲ってきてそのまま隅に追いやられた。
気が付いたら周りに女子高生に囲まれていた。