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月あかりの夜
第5章 胸の高鳴り

 土日は無聊に過ごして、夜になると月が出ない日々が続いてお月見は出来なかった。
 月あかりはないわけではないが茫洋としているのみであった。

 カーテンの隙間から二階屋を見ると窓もカーテンもしまって人気はなかった。
 
 何度も見に行く。

 我ながら何やっているのだかと思う。

 それで、カーテンを開けては妻に問い詰められるので布団を被って寝るしかない。

 満月がとうに過ぎて今は下弦あたりに違いない。
 2週間以上はお休みである。

 夜の月見から朝の通勤があるではないかと思ったが月曜からの時間は分からない。

 会えない不安がよぎるではないか。

 朝に「おはよう」と現れなかったらと不安になってそれで情緒不安定に陥る。

 それで、妻を襲って気を晴らすことになる。

「この頃どうしたの」と疑念を示された。

 が、「気持ちが高ぶって求めている」とそのまま言って、

「バカ」とののしられた。一晩で2回は多いのであるらしい。
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