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月あかりの夜
第6章 痴漢
「いいです。先輩のデンパだから用があれば先輩にお聞きしますから。それにしても先輩にパパがいるとは以外でーす」と言って事務所に消えた。

 何がなんだか分からない内に犯人にされてもう良いといわれても、
「わたしはやってない無実です・・・」と言った。

「今頃、力んでも遅いわよ。それより、行きましょう早く」と腕を引っ張られた。

「何処に」

「良いからついてきて」と怒って言った。そして溜息を大きく吐いて、
「今日は学校には行けないわね。どっちにしても」と呟いた。

 駅を少し外れた人気のないところで振り向いて、
「お金出してください、3万円」と手を出した。顔は笑ってない。

「え、お金。3万円・・・」と何だかわからないが財布から3万円出して渡した。

 受け取りとると「ここで待っていて」と言い残して駅に戻って言った。

 案外直ぐに戻って来て、
「話はついたから、もう終わり。ぼーとしてないで気を付けて」

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