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月あかりの夜
第6章 痴漢
 その間、彼女と見つめ合って「バカね。待ってないで先に行っちゃったので追っかけて同じ電車には乗ったけど、別車両になったのよ」

「・・・」返す言葉がない。

「先輩、結論から言いますと提訴やめます。先輩の言う通りだと冤罪になりますから。やられた子は間違いないと言い張っていますがね」とリーダー格の女子高生が言った。

「痴漢の被害にはあったので申告はしますが、この方からの被害は取り下げます」

「君たちがそうなら、被害の申告だけでもいいですがちょっと待ってください」と言って事務所に這入っていった。 

 暫くして、「被害申告だけで良い事になりました。皆さん事務所にどうぞ」と言って。

「この方はもう良いですかね」

「この人、聴取して何になるの。むしろこれ以上に犯人扱いすると名誉棄損で皆さんを訴えることになるわよ」ときっぱりいった彼女。
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