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月あかりの夜
第2章 本屋で遭遇
一日が暮れて、夜になった駅に降り立つと本屋によることを思い出した。
妻から買ってきてと頼まれているお使いをもう二日も忘れて帰ってしまった。昨日の夜も出がけにも念押されて、日中にもメールを頂戴していた。
流石に本日は覚えていた。
そのまま帰って来たら買いに戻ることになる、の一言が訊いているようだ。
本屋はそんなに混んではいなかった。
お使いの雑誌をまず取って、そのまま新刊本のコーナーに行って何か面白そうな本はないかと見渡している。
と、文庫本のコーナーに女子高生が居て立ち読みしていた。
あ、例の二階屋の覗き女子高生であった。
相手は気が付いていないようだ。
一心に読んでいる。
本棚の陰に半身隠れた。
そうして、片身で見ているとふと眼を揚げて左右を見てから読んでいた本の下に持っていた別の本を素早く肩に掛けているカバンにしまった。そして、また立ち読みをしている。
万引きしたのである。
実に手慣れているではないか、きっと常習犯に違いない。
妻から買ってきてと頼まれているお使いをもう二日も忘れて帰ってしまった。昨日の夜も出がけにも念押されて、日中にもメールを頂戴していた。
流石に本日は覚えていた。
そのまま帰って来たら買いに戻ることになる、の一言が訊いているようだ。
本屋はそんなに混んではいなかった。
お使いの雑誌をまず取って、そのまま新刊本のコーナーに行って何か面白そうな本はないかと見渡している。
と、文庫本のコーナーに女子高生が居て立ち読みしていた。
あ、例の二階屋の覗き女子高生であった。
相手は気が付いていないようだ。
一心に読んでいる。
本棚の陰に半身隠れた。
そうして、片身で見ているとふと眼を揚げて左右を見てから読んでいた本の下に持っていた別の本を素早く肩に掛けているカバンにしまった。そして、また立ち読みをしている。
万引きしたのである。
実に手慣れているではないか、きっと常習犯に違いない。