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雨の降る夜は傍にいて…
第3章 9月の雨(September Rain)
 9 スーパー彩ちゃん

 そして彩ちゃんはさすがにスーパー彩ちゃんなのであったのだ…

 さすがヤリマンと自称をし、今夜は黒田専務を狙って落とすという目的を持った彩ちゃんは、最初から自分のセクシー路線の魅力を溢れさせ、この2対2の酒席の主導権をしっかりと握ってしまったのである。

 わたしはそんなスーパー彩ちゃんに全てをお任せし、ノリノリの彼女に仕切りもお任せし、黙って微笑みながら美味しい寿司会席料理を堪能していたのだ。

 そしてそのノリはさすがにスーパー彩ちゃんであった、男心、いや、男のスケベ心、心情をガッチリと理解し、掴み、目の前にいる二人の遊び人ボンボン専務達を翻弄し、魅了していったのである。
 軽快な、そして面白く、話題性のある軽妙かつ繊細な会話、そして自らのセクシーポイントを理解しての攻めの動きに、御酌等のお酒の勧め方、まるで高級クラブのホステス並みの美しさと、会話であったのだ。
 二人のボンボン専務の目と、心はすっかりと目の前のスーパー彩ちゃんに釘付けとなってしまい、恐らくわたしを口説き落とそうと画策していた事など忘れてしまたかのようであった。
 わたしは本当に気楽になり、料理とお酒を堪能していく。

 ああ彩ちゃんを誘って連れてきて、本当によかったわ…
 心からそう思っていた。

 なぜならば、この大型台風の影響である9月の冷たい雨のせいで、すっかり昔の古傷と、最近の手術痕の疼きが秘かにウズウズと疼いてきており、心を、自律神経を密かにザワザワと蠢かせてきていたからである。

 そしてかろうじて冷静さを保っていられたのは、このスーパー彩ちゃんの軽妙、軽快な会話の愉快さのお陰であった。
 だが、この疼きは激しく、既にわたしは一触即発の状態であったのだ。

 本当に彩ちゃん連れてきてよかったわ…

 心からそう思っていた。

 そしてこのスーパー彩ちゃん主役の楽しい酒宴は進んでいった…






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