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雨の降る夜は傍にいて…
第3章 9月の雨(September Rain)
10 過去の栄光
「……ですよねぇ、みっき社長ぉ…」
すっかり彩ちゃんはわたしの事をさっきのこの店のオーナーであり、わたしの幼なじみ的な後輩はったりくんが『みっき先輩』と呼んでいたのをマネして、そう呼ぶようになっていた。
「みっき社長って…」
と、黒田専務が彩ちゃんに訊いてきたのだ。
「ええとぉ、さっき案内してくれたぁ、ここのオーナーがぁ……………なんですぅ」
と、さっきのはったりくんとの会話の流れを説明したのである。
「なるほどなぁ、美紀谷社長だからみっき社長かぁ…」
黒田専務が感心したかのように呟いた。
「しかも、みっき社長はアレですよねぇ…」
と、鈴木専務が言ってくる。
「えっ、アレって…」
そしてわたしは思わず訊いた。
「かなりバスケット界じゃ有名選手だったとか…」
「えっ、あ、まあ…」
ヤバい、バレた…
わたしは昔のバスケの話し、特にバスケを、知らない人に知られたり、話しをされるのが苦手だったのである。
ま、どんなスポーツもそうなのであろうが、栄光の裏には努力が絶対に存在しており、その努力の辛さ、大変さは、その競技の経験をした人じゃなくちゃ理解出来ない事なのである。
それを軽く、さも分かったかのように、にわか知識や、噂では語ってほしくはなかったのであった。
しかもわたしは全盛期に突然の怪我により、泣く泣くリタイヤしたのである、その怪我を訊かれるのも嫌なのだが、説明するのも過去の苦悩までが、蘇ってしまうから本当に嫌なのだ。
「ま、それ程でもないですよ…」
「ええ、そうなんですかぁ、俺の後輩が…」
バスケットしていた後輩に訊いたらしい…
確かにわたしの怪我するまでの実績は信じられない程の実績なのである、だからこそ、簡単に信じられないくらいであるからこそに、
ええーっ…とか
マジでぇ…とか信じられないみたいなリアクションされるのも、まるで法螺話しや、自慢話しみたく受け取られてしまい、余計に、嫌なのであったのだ。
「……ですよねぇ、みっき社長ぉ…」
すっかり彩ちゃんはわたしの事をさっきのこの店のオーナーであり、わたしの幼なじみ的な後輩はったりくんが『みっき先輩』と呼んでいたのをマネして、そう呼ぶようになっていた。
「みっき社長って…」
と、黒田専務が彩ちゃんに訊いてきたのだ。
「ええとぉ、さっき案内してくれたぁ、ここのオーナーがぁ……………なんですぅ」
と、さっきのはったりくんとの会話の流れを説明したのである。
「なるほどなぁ、美紀谷社長だからみっき社長かぁ…」
黒田専務が感心したかのように呟いた。
「しかも、みっき社長はアレですよねぇ…」
と、鈴木専務が言ってくる。
「えっ、アレって…」
そしてわたしは思わず訊いた。
「かなりバスケット界じゃ有名選手だったとか…」
「えっ、あ、まあ…」
ヤバい、バレた…
わたしは昔のバスケの話し、特にバスケを、知らない人に知られたり、話しをされるのが苦手だったのである。
ま、どんなスポーツもそうなのであろうが、栄光の裏には努力が絶対に存在しており、その努力の辛さ、大変さは、その競技の経験をした人じゃなくちゃ理解出来ない事なのである。
それを軽く、さも分かったかのように、にわか知識や、噂では語ってほしくはなかったのであった。
しかもわたしは全盛期に突然の怪我により、泣く泣くリタイヤしたのである、その怪我を訊かれるのも嫌なのだが、説明するのも過去の苦悩までが、蘇ってしまうから本当に嫌なのだ。
「ま、それ程でもないですよ…」
「ええ、そうなんですかぁ、俺の後輩が…」
バスケットしていた後輩に訊いたらしい…
確かにわたしの怪我するまでの実績は信じられない程の実績なのである、だからこそ、簡単に信じられないくらいであるからこそに、
ええーっ…とか
マジでぇ…とか信じられないみたいなリアクションされるのも、まるで法螺話しや、自慢話しみたく受け取られてしまい、余計に、嫌なのであったのだ。