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雨の降る夜は傍にいて…
第3章 9月の雨(September Rain)
 24 マスター⑩

「うわっ、ほ、本当だっ、ツルツルしてる」

 急遽、バーを閉め、わたし達二人は二階のマスター曰く仮眠室で、彼を口説き落とした口実の通りにわたしは手術の為に綺麗に剃った股間を、両脚を広げて見せていた。

 なにが仮眠室よ…

 これが先に二階に上がって、この部屋を見たわたしの感想であったのだ。
 約六畳の古びたフローリングの床、奥には簡単なユニット式のバスとトイレ、小さな流し台が備え付けてある。

 一応、ギリギリ最低限の生活できる部屋が、一階の店舗とワンセットで賃貸してあるようだ…

 そしてその六畳間の中央にセミダブルのソファーベッドが無造作に置いてあった。
 だが、シーツと枕カバーは清潔感のあるクリーニングされた、白いピンとノリの効いたモノであったのだ。

 なにが仮眠室よ、これはヤリ部屋じゃないの…

 なんとなく、このセミダブルのソファーベットがそんな雰囲気を醸し出していた。

 周りはキャバクラだらけだし…

 仕事の終わったキャバ嬢がたくさん深夜に来店しているようだし…

 女には不自由はしていないってことなのか…

 わたしはこの二階を見てすぐにそう感じ、そしてわわたしがマスターに魅かれた理由を一瞬で理解できたのだ。

 女には不自由していない…

 そんな彼の余裕にわたしの心が無意識に反応し、魅了されたのか…

 こんなマスターに、わたしには願ったり叶ったりなのである。

 そしてわたしはそくさくと上着とスカートを脱ぎ、黒いキャミソール一枚の姿でベットで横になって彼を待つ。

 あっ、そうだ、パンツも…
 下着も脱いだ。

 トントントントン…
 マスターは軽やかに階段を上がってきた。

「みっきさん、お待た……あっ」
 彼はベット上のわたしを見て、絶句した。

 そう、わたしはベッド上で両脚をノーパンで膝を立て、M字開脚の姿でいたのだ…

「マスター…早く…」

 わたしは自分自身のいやらしい姿を脳裏に浮かべ興奮し、そして、子宮をズキズキと激しく疼かせていたのである。

 そしてその子宮の疼きと連動するかの様に、手術痕もズキズキと激しく疼きを昂ぶらせていたのだ…

 いや、この手術痕の疼きが、子宮を昂ぶらせているようであった…






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