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雨の降る夜は傍にいて…
第4章 台風12号MUIFA(ムイファ)
 18 台風連続発生の夜

 だが、実は、わたしは、次の日の夜に、もっと運命的な、別の再会をしていたのである…

 次の日曜の夜は雨は降ってはいなかった。 
 だが、しかし、遥か南の海上で台風12号に続き、13、14号が連続して発生したのである。 
 そしてどうやら台風14号に関しては来週中に、九州南部から上陸し、本州を北上しながら縦断しそうな進路を取るのではないかと、既に警戒情報まで流れ始まってきてきていたのであったのだ。

 だからそのせいなのかもしれなかった、わたしは前日より、いや、ここ最近の過去最高に、手術痕と、今まで以上の、心の不安定な昂ぶりを感じていたのであった。

 心の騒めきがどうにも収まらない感じであったのだ…

 だからわたしはその夜も
『BarWooods バーウーッズ』
 の、マスターに抱かれ、慰めて貰おうと夕方にはバーに向かったのである。
 そして、今は、バー経営ではなくて、趣味的にバーを開いている訳であるから、少しばかりわがままを言って早仕舞いさせようとまで考えていたのであった。

「あっ…」
 少し時間が早過ぎたのだ、店はまだ開いていてはいなかった。

 丁度よいじゃないか、マスターの住んでいるホテルに行こう…
 と、ホテルに向かいながら、マスターに電話を掛ける。

「おう、妖精さん、早いね…」
 
「ねぇ、今、ホテルに向かっているからさぁ…」
 そう言うと…

「ごめん、今、野暮用でさぁ、あと四時間以上は戻れないかなぁ…」
 と、言ってきたのだ。

「えっ、そうなの…」
 四時間以上…ってことは

 それは早くても10時以降か…

 仕方がない、いつもは逆に深夜零時前に来店した事がないのだから…

「わかった…戻ったら電話ちょうだい…」

 わたしは途方に暮れてしまう。

 どうしよう、どうしようか…

 仕方がない、よく行くワインバーにでも行くか…







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