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雨の降る夜は傍にいて…
第5章 秋冷え…
 32 本当の愛

 ブー、ブー、ブー…

「…………はっ…」

 わたしは、朝5時半の目覚まし代わりの携帯アラームで目が覚めた。

「ふうぅ…」
 隣を見ると浩司の姿はない。
 わたしは昨夜、彼に抱かれて愛されて四度の絶頂感を得て寝落ちしてしまったのだ。
 そしてその四度目の絶頂感は正にエクスタシーと云える程の激しく、全身と、心までも震えて、蕩けてしまうようなかつて経験した事のない程の絶頂感を得たのである。

 そして今、目覚めと共にジワジワとそのエクスタシーの快感の余韻が、再び蘇ってきた。

 ああ、疼くわ…

 ジンジンと、ジワジワと子宮の奥がカラダの目覚めの覚醒に比例するかの様に疼きを増してきている。

 もう、朝からヤバいわ…

 指先で確認すると、まだ、しっとりと湿り気を帯びていた。

 シャワーでなんとかなるかしら…
 そう想い、気怠いカラダを起こし、目覚めのシャワーを浴びる。

 あんなに感じたのは初めててだわ…

 シャワーを浴びながらも昨夜の激しい快感、絶頂感、エクスタシーが蘇ってきてしまい、全然、子宮の疼きが治まらないでいた。

 これが、本当の愛のあるセックスなのか…

 だとしたら、本当に、もう離れられないし、別れられない…

 本当に浩司セックスの快感の中毒患者になってしまったみたいだ…

 昨夜の浩司の言葉が不意に蘇ってきた。

『俺もゆりを愛している…』

『もう離れられない…』

 急にドキドキと胸が高まってきた。

 ズキズキと子宮が疼き…

 ドキドキと胸が高まり…

 ザワザワと心が騒めいてくる。

 
 ああ、これが本当の愛なのか…

 男を愛するという昂ぶりなのか…

 今、過去を振り返ってみても、これ程の高まり、昂ぶりは経験した事が、なかった。

 あの『たーちゃん』が亡くなった時に、本当に彼を愛していた…と、本気で考え、想ったけれども、そんな想いの比ではない。

 あれはまだ、子供の恋愛だった…
 と、そう想える程である。

 これが本当の愛…

 男を愛するということなのか…

 愛するということなのだろうか…

 ズキズキ、ドキドキ、ザワザワが治まる気配が無かった。

 ああ、どうしよう…

 心が騒めき、戸惑い、迷走してきていた。



 これが本当の愛というものなのか…





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