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雨の降る夜は傍にいて…
第5章 秋冷え…
55 二面性のわたし
「おう、おかえりゆり先生…」
浩司は二人切り以外の公の場所ではわたしの事を
『ゆり先生』と、呼んでいた。
「はいこれ大阪のお土産、皆さんでどうぞ…」
この年のインターハイ会場は大阪であった。
「ありがとう、でも3回戦惜しかったなぁ」
「えっ知ってるんだ…あ、そうか…」
そうなのだ、大阪会場には浩司の奥様と美香ちゃんが観戦に来ていた、しかも一度だけ大阪で食事を共にしたのである。
だから詳しく聞いているのであろう…
そしてそれイコール、家族としての会話や、コミュニケーションが行われているという証拠であり、約1年前まではそんな彼の家族の存在感を感じただけで、ザワザワと心を乱れさせ、揺らいでいたモノであったのだ。
だが、今となっては、そんな事…
くらいに軽く流せるのである。
そしてもはや、わたしと奥様と娘さんの三人でアドレス交換までしており、日常的にメールを交わす間柄、つまりは4人目の家族的に親密になっていたのであった。
なぜならば、美香ちゃんが全日本アンダー15のメンバーに選抜選考され、それがきっかけとなり、元全日本の先輩としてと、技術的な指導のアドバイス的な相談を兼ねてのアドレス交換をしたのである。
だから純粋に浩司ファミリーを応援する善のわたしと…
その陰で浩司と不倫関係をますます昂ぶらせているという、背徳感と罪悪感に酔い痴れている悪のわたし…
そんな二面性の関係を新たに昂ぶらせていたのであった。
正に、善と悪の二面性の螺旋のスパイラルといえるのだ…
そんなわたしに浩司は決して言葉には出さないのであるが、少し、いや、本当はかなり戸惑っている様なのである。
そして彼の家族と、つまりは奥様と美香ちゃんと関わった夜の殆どは、わたし自らが彼を呼び出し、抱かれ、そして激しく淫れ、昂ぶる、という痴態を曝していたのであった。
その流れの違和感を浩司は、何となく感じ取っている様ではあるのだが、かわいい一人娘の素晴らしいバスケット選手としての高まりと、わたしとの関係を壊したくない…という想いからなのか、決して言葉にはしてこなかったのである。
だが、薄々、浩司の弱冠の苦悩を感じてはいたのであるが、スパイラル的なセックスという麻薬的な中毒患者の如くのわたしには、止める、という選択肢は無かったのだ…
「おう、おかえりゆり先生…」
浩司は二人切り以外の公の場所ではわたしの事を
『ゆり先生』と、呼んでいた。
「はいこれ大阪のお土産、皆さんでどうぞ…」
この年のインターハイ会場は大阪であった。
「ありがとう、でも3回戦惜しかったなぁ」
「えっ知ってるんだ…あ、そうか…」
そうなのだ、大阪会場には浩司の奥様と美香ちゃんが観戦に来ていた、しかも一度だけ大阪で食事を共にしたのである。
だから詳しく聞いているのであろう…
そしてそれイコール、家族としての会話や、コミュニケーションが行われているという証拠であり、約1年前まではそんな彼の家族の存在感を感じただけで、ザワザワと心を乱れさせ、揺らいでいたモノであったのだ。
だが、今となっては、そんな事…
くらいに軽く流せるのである。
そしてもはや、わたしと奥様と娘さんの三人でアドレス交換までしており、日常的にメールを交わす間柄、つまりは4人目の家族的に親密になっていたのであった。
なぜならば、美香ちゃんが全日本アンダー15のメンバーに選抜選考され、それがきっかけとなり、元全日本の先輩としてと、技術的な指導のアドバイス的な相談を兼ねてのアドレス交換をしたのである。
だから純粋に浩司ファミリーを応援する善のわたしと…
その陰で浩司と不倫関係をますます昂ぶらせているという、背徳感と罪悪感に酔い痴れている悪のわたし…
そんな二面性の関係を新たに昂ぶらせていたのであった。
正に、善と悪の二面性の螺旋のスパイラルといえるのだ…
そんなわたしに浩司は決して言葉には出さないのであるが、少し、いや、本当はかなり戸惑っている様なのである。
そして彼の家族と、つまりは奥様と美香ちゃんと関わった夜の殆どは、わたし自らが彼を呼び出し、抱かれ、そして激しく淫れ、昂ぶる、という痴態を曝していたのであった。
その流れの違和感を浩司は、何となく感じ取っている様ではあるのだが、かわいい一人娘の素晴らしいバスケット選手としての高まりと、わたしとの関係を壊したくない…という想いからなのか、決して言葉にはしてこなかったのである。
だが、薄々、浩司の弱冠の苦悩を感じてはいたのであるが、スパイラル的なセックスという麻薬的な中毒患者の如くのわたしには、止める、という選択肢は無かったのだ…