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雨の降る夜は傍にいて…
第5章 秋冷え…
 54 スパイラル的なセックスライフ

 公私の私である浩司との不倫の関係…

 公であるバスケット指導が順調になるにつれわたしの精神的な状態もかなり安定する様になってきた。
 そして今までの様に大切な試合に負けて、茫然自失な精神状態となり、それを浩司に慰めてもらう…という事は消えたのであるが、今度は真逆的な、勝利からの興奮の昂ぶりにより抱かれる、愛してもらわないと鎮まらない…
 と、いう現象が起こり始まったのである。

 そしてこの1年間は、わたしの指導する私立高校…
『○○高校の逆襲が始まった…』
 と、地元新聞が大きく取り上げてくれたせいもあり、県内バスケット関係者達から大きな注目を浴び、それに伴い、沢山のバスケットファン、OB、OG、それらの父兄や関係者、そしてこれから高校進学する中学生達とその父兄達…
 という、各関係各所からの注目を浴び、そして、当然の流れの如くに浩司の娘、美香ちゃん達中学生、そして奥様ともバスケット会場では必ず遭遇をするし、何かに付けて奥様からの誘いの回数も増え始めるという流れの現象が起きたのであった。

 バスケットの試合の勝利に興奮し、その興奮を醒ます為に浩司に抱かれ、そして奥様達と遭遇してそれにより感じるその背徳感と罪悪感というラブスパイス的な刺激により、より興奮し、妖艶に昂ぶり、淫らに乱れる…

 そんな麻薬中毒的な螺旋のスパイラル的な、激しいセックスライフを送る様になったのだ…

 つまりはこのバスケットの快進撃の1年間は勝利に酔い、セックスによる激しい快感にも酔い痴れる…
 こんな1年間を過ごしたのであった。

 公私共々全てが上手く、そして上出来な流れの1年間といえたのである…

 だがまだ、この時にはこれから起きるバスケット指導者としての更に高見へと高まっていく流れと、それにより起こる反動的な歪みなどまだ想像も、予想も出来ないでいた。

 だが今になって冷静に当時を顧みれば、その先の流れ等容易に予測できる筈なのだが、当時はかなり舞い上がり昂ぶっていたから足下の事などを見たり、考える余裕等は無かったのである。

 そしてそんな流れの最中に、浩司との不倫関係の3年目の夏を迎える…

「ただいま」
 わたしはインターハイから帰ってきて直ぐのその夜に、浩司のいるスポーツバーへと顔を出したのだ。

「おかえり、ゆり先生…」



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