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雨の降る夜は傍にいて…
第5章 秋冷え…
 69 理由 ③

「それに安藤先生も賛成してくれていて」

 わたしのもう一人の恩師である元全日本アンダー15のヘッドコーチであった安藤先生も賛成してくれているのか…

 わたしにはそれは意外であった、なぜならば中学3年生当時のわたしに対して安藤先生は…
『高校は中央の強い、○○高校か△△高校に行った方がみっきの将来の為になるから…』

『絶対に強い高校に行くべきだよ…』

『常に全国トップレベルの環境の中にいた方が絶対にいいから…』
 等々、かなり推された記憶があった。

 だからその安藤先生がわたしを、わたしの高校を推したという言葉に少し違和感を感じたのである…

「その安藤先生の言葉は本当なんですか…」

「ええ本当です、私が直接聞いたんですから…」

「そうなんですか…」
 そう呟くと奥様は頷いた。

「後で美紀谷先生が直接、確認してみてくださいな…」

「あ、はい…」

 それは勿論である…

「ねぇ、アナタも何か仰ってよ…」
 すると突然奥様は、ずっと黙っている浩司に意見を求めたのである。

「あ、うん、うむ…」
 そう頷き、呟くと、わたしの顔を見てくる。

 ドキドキドキドキ…

 その目は今までのわたしは見たことのない目の色であった。

 多分、父親としての目なんだろうか…

 ドキドキドキドキ…

 胸が、心が、複雑な意味での昂ぶりを感じる。

「ゆり先生的にはどうなの?…
 なんか、ウチの意見ばかり一気に押し付ける様に話してしまったけどさ…」
 と、少し柔らかく、そして諭すかの様に訊いてきた。

 その彼の言葉は予想外の言葉であった、だが、至極、真っ当な、そしてストレートな意見であるともいえるのだ。

「わたし的に…ですか?」

「うん、そう…
 つまりは、うん、そのぉ、ゆり先生がウチの美香を欲しいのか?
 これからも指導したいのか?…って事なんだが…」
 
 本当にストレートな意見である…

「それは…勿論、美香ちゃんをウチの高校に是非とも欲しいですし…
 これからも、もっと、もっと指導、教えてあげたいし…
 それに…」

「うん、それに?…」

「はい、一緒にレベルアップして、そして美香ちゃんがもっと素晴らしいプレイヤーになれる様にアシストしたいです」

 わたしは本音を、心の中にずっと秘めていた本当の想いを、言葉に出したのである…



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