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雨の降る夜は傍にいて…
第2章 春雷
 18 心の渇望

 そんな兄貴にとっての当時のゆり姉ちゃん的に匹敵する存在が、今の俺の周りにはいない、皆無なのであった…

 幼き時に7歳上というゆり姉ちゃんの存在をリアルに感じてしまい、そんな刺激により、性の目覚め、覚醒をしてしまったせいなのであろう、どうしても俺には同級生や後輩の美人、可愛いと称されている存在を見ても全然、ピンとこないのである。
 
 全然モテない訳ではない、いや、勉強も出来、野球も上手であるからむしろモテてはいた、過去にはラブレターや、告白等も何度となく経験をしてはいたのだ。
 だが、全然、ピンとこないのである、自分の女性の興味の対象は年上の女性なのであったのである。
 いつも電車や街中で見掛ける、女子大生や、OL風の大人の女性にしか興味の昂ぶりが湧かないのであった。
 そしてそんな想いは、あの当時のゆり姉ちゃんの存在感のせいであり、その存在感で性の覚醒をしたせいなのであると何となくは分かっており、そしていつもエロ本等での刺激の他にはゆり姉ちゃんを夢想しての自慰行為による持て余しているエネルギーの解消をしていたのである。

 だが、こうしてリアルに、現実に、ゆり姉ちゃんを見て、接近遭遇して確信した想いがあるのだ。
 いや、完全に分かったのだ。

 俺はゆり姉ちゃんが欲しい…

 ゆり姉ちゃんをモノにして、初めて全てが乗り越えられるのだ…

 じゃないと次の新たなる自分は踏み出せない…

 そう心が切望し、渇望しているのを自覚したのである。

 そしてその為には、作戦を練り、決行し、必ずゆり姉ちゃんをモノにする。
 
 俺はそう心に誓ったのだ…







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