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雨の降る夜は傍にいて…
第1章 台風の夜
 5 傍に…

 ああ、台風が近づいてきている…

 台風という、大型の低気圧の接近が、わたしの自律神経を不安定にしてくるのであった。

 男漁りだなんて…
 わたしには、そんなつもりは全くないのである。

 違う…

 違うの…

 わたしは…

 わたしには…

 こんな傷痕が…

 心が疼くこんな夜は…

 こんな嵐の夜は…

 こんな雨の降る夜は…

 ただ…

 ただ、誰かに傍に居て欲しいだけなのだ。

 雨の降る夜は傍に居て…

 心が、傷痕が、ただ、そう切望するのである。








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