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雨の降る夜は傍にいて…
第3章 9月の雨(September Rain)
 3 ブラックな二人

「もしもぉ、わたしが口説かれたらぁ…
 あの専務とぉ、ヤッちゃってもいいんですかぁ…」

 さすが彩ちゃんである…


 わたしはニヤリと笑みを浮かべ、頷いた。

「うん、全然平気よ、あの専務、最近離婚したって云ってたから、ちょうどよいんじゃないの…」
 貢がせちゃえばぁ…
 と、ブラックなわたしの想いを口にする。

「そうですねぇ、いいかもですぅ、ちょうど欲しいバッグあるしぃ…」
 彩ちゃんもすっかり、そんな悪女の目論見の算段を始めていたのだ。

 彩ちゃんは、わたしとまるで正反対なタイプでなのであった。

 わたしはどちらかといえばきつ目な感じのキツネ顔であり、彼女は穏やかなクリっとした目のタヌキ顔をしている。

 身長はわたしの160センチから比べると、やや低い155センチくらいであろうか。
 だが、わたしとは真逆の巨乳系なのである、おそらく85オーバーのEカップはある感じなのだ。
 そしてもちろん、女として柔らかそうな感じが見るからに伝わってくる。
 またウエストは比較的細く、バツイチではあるのだが未出産なのでプロポーションも美しくキープしていた。
 そして元ヤンとかヤリマン女とかの自虐ネタ同様に、若い時に数回子供も堕胎しているからもう妊娠できない、中出しし放題なんだ等、シャレにならない様な事も自虐してくるのであった。

 だが、それらの真偽の程はわたしには本当の事はわからないのであるが、男性側から見たら、男好きのする、話しも上手な、魅力溢れる女性なのである。

『狙った男はとりあえず外しません…』

『ま、逆に云うとぉ、簡単にヤッちゃうんですけどねぇ…』
 そう彩ちゃんは豪語する。

 今回のわたしの狙い

 ボンボン専務の目先をかわす、逸らす…

 正に彩ちゃんに最適な役割であり、まあまあの男前の金持ち男なので彼女にとっては一石二鳥と云えるのである。
 

「じゃあ社長ぉ、遠慮しないであの専務ゲットしちゃいますよぉ…」

「うん、ぜひお願いします…」
 わたしは彩ちゃんにひれ伏したのだ。


「そういえばぁ、あのホテルのバーで出会った素敵なオジサマとはぁ、あの後どうなってんですかぁ…」
 と、この前の台風の夜にホテルで出会った男の話しを訊いてきたのだ…




 
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