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甘い蜜は今日もどこかで
第6章 【キミの隣に居たい】
とはいえ、吉原さんは本当にそんな感じで私を拾ってくれた。
親を早くに亡くして親戚を転々としていた私は早く家を出るのに必死だった。
働いて稼げるようになったらすぐに家を出て住み込みで働いてとりあえず勉強だけは死ぬほどした。
働きながら勉強して色んな資格も取った。
手に職をつければどんな時でも食い繋げれるって思ってた。
そんな矢先に吉原さんと出逢ったのかな。
今と見た目変わんないくらいお色気ムンムンで「私の元で働かない?」って声掛けられて最初はキャバクラかと思った。
勧誘かと警戒して随分スルーした。
長い時間かけて何度も何度もしつこく口説いてくるから話だけ聞くからもう来ないでくださいって会社の説明聞いてくうちにそれはもう面接になっていて気付いたら「明日から行きます」ってことになってて。
笑うよね、可笑しくなっちゃって。
お給与もそこそこ良かったし、勉強に充てれる時間も確保出来そうだったし、資格も全て会社持ちで取得出来るって言葉にまんまと騙されたのね。
おいしい話には裏があるって学び忘れてたのよ。
キャバクラでも水商売でもなく、
大好きな接客業に就けれた。
どんどんやればやるほどスキルを磨けてそれにお給与が伴っていった。
目に見える数値化によって私はいつの間にか派遣のスペシャリストとなっていたのだ。
そしてその後すぐにつけてくれたのがジロウだった。
マネージャー業務兼、運転手。
まさかの男だったから最初は戸惑ったけどスマートに見えてこれが結構ドジで。
抜けてる…ていうの?
だから私の方が色々と気をつけるようになり、レンカノするようになってからはストーカー対策としてジロウが大いに役立ったけども。
「ジロウ~お腹すいた」
「はい、すぐに用意しますね」
「ん〜その前にギュウしても良い?」
「…………はい」
気が付けばジロウにだけ素の自分になれてることと、ジロウにしか甘えられない自分が居た。
寝顔だってスッピンだって曝け出してる。
干してた下着類もジロウが綺麗に畳んでくれてたり。