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甘い蜜は今日もどこかで
第6章 【キミの隣に居たい】
吉原さんたちの元に戻っても
「つーちゃん真っ赤で可愛い」ってイジってくる。
アタフタしている私を見て、心底面白くなかっただろうね、ジロウは。
「何話してたの?」と吉原さんに聞かれてジロウも居るし正直に話そうと思った。
大丈夫、気にしなくて良いんだよって。
全てを報告してホッとしてるジロウが可愛くてあまり見れなかった。
「上手く断ったのは良いけど、本当に好きな人居るの?」
何もかもオブラートには包まず単刀直入に質問してくる仕事人、吉原さん。
回りくどい言い草は時間の無駄だと考えている人。
それは私も共感出来るので気持ち良いくらいストレートボールを投げてくるのを受け止めて答えるのは嫌いじゃない。
「あぁ、でもこんな仕事してるし正直恋愛関係になれるかどうかはわかんないです……」
「えっ?クライアントじゃなかったらグイグイいきなさいよ、あんたプロだからその辺お手の物でしょ?」
「いや、だからダメなんですよ、色々と知り過ぎてつい仕事の顔になっちゃいそうで……吉原さんのせいでリアルの恋愛拗らせちゃってるじゃないですか」
「あらら?そうなの?当分レンカノレン妻の仕事は入れないから頑張ってみな?DAiKIくんが言ってたように私も椿の結婚する姿見てみたいわ」
「当分じゃなくて、もう入れないでください、私だって恋愛したいですから」
「DAiKIくんとキスばっかしてそんな気になっちゃった?」
「違いますよ、それ以前からレンカノしてたじゃないですか、もうやらないですからね?絶対ですよ?」
「んふふ、はいはーい、椿にも幸せになって欲しいからそういうことにするわね」
「え?あ………ありがとうございます」
まさか素直にあっさり言い分を飲んでもらえるなんて思ってもみなかったから拍子抜けしてしまいそう。
「いや〜でも、椿の彼氏になる人は絶対この目で見てみたいものだわね、どんな男連れてくるのかしら」
「え、会わせないとダメです?」
「当たり前じゃない!私、椿のセカンドママよ?」
「セカンドママって……ベビーシッターじゃないんですから」