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甘い蜜は今日もどこかで
第8章 【ずっといつまでも】





今でもだいぶ辛そうだけど大丈夫かな?
本人は「早く退院したい」って言ってるし退院したらやる事いーっぱいあるよ?
だから元気になってもらわなきゃ困る!
心底思うよ。
2人で幸せにならなきゃ意味がないって。
私の人生の中でジロウが居なければ生きていく意味すらなくなっちゃう。
それほどまで本気にさせたんだから責任取ってよね。




顔だけでも見れて良かった。
同じ空間に居れるだけでどんなに精神が落ち着くか。
日に日に顔色も良くなっていって、腕にしていたギプスも取れた。
リハビリ次第で退院日も決まる。




私が行けない時は吉原さんが顔を見に行ってくれて
「かなり食欲も出てきてるしリハビリも頑張ってるみたいじゃない、退院も近いかもね」と報告してくれる。
その言葉は実現して、転院して1ヶ月弱で退院することになった。




抜歯も耐えてリハビリにも精を出してくれた。
まだ傷は完治とまではいかないけれど今後は通院で良いみたい。
保湿クリームを大量に頂いて病院を後にした。




リハビリは関節を伸ばすだけじゃない。
体力も戻していかなければならないのだ。
走ったり激しい運動はまだまだ出来ない。
少し散歩しただけでハァハァ言ってる。




休み休みで良いから一緒に並んで歩こう?
2人で歩けていることがこんなに嬉しく思ったことはないよ。
やっと外に出れたし、ようやく生活も戻っていける。
少しずつで良い。
頼ってくれて良いから、ずっと傍に居て。




まだ顔や首と、目に見える場所の傷は生々しく残っている。
でもそんなの関係ないの。
ジロウが頑張ってきた証拠だもん、逆に見せつけてやりたいくらい。
本当に頑張ったね。
長かった……たった2ヶ月がとてつもなく長く感じた。
先の見えない不安から押し潰されそうになったのはジロウも一緒だったよね。




完治するまでは時間がかかるだろうけど、その時間さえ全て愛おしく思えるよ。
退院後の1ヶ月は自宅療養だけどお母様と交代で世話をしたり、3人…もしくはお姉さんも加わって4人でご飯を食べたりジロウと過ごすことが増えた。




「ていうか、ジロウにこんな可愛くて綺麗な子が居たなんて知らなかったわ〜」とお姉さんに言われて2人で赤面する。







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