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甘い蜜は今日もどこかで
第8章 【ずっといつまでも】
お泊まりだからって期待してなくはないけど、まだ……だよね。
お恥ずかしながら、やっとなのかな…なんて思ったりしてて。
2ヶ月半ぶりくらいにひとつになれたり……って私、バカだよね。
ジロウはまだ体力も普通レベルには戻れてないし、皮膚移植は自分のお尻の皮膚を取って行われたので、やっとくっついてきた頃だったし完全体ではないのに一緒のベッドに寝て期待してしまった。
隣に居ることが嬉しくて、幸せで、欲張りになる。
「おやすみ」と言って電気を消すけど。
こちらから誘うものでもないし、身体が第一だからって何度も唱えた。
どうしていいかわからず悶々としてる自分が恥ずかしい。
「おやすみ」って2回目。
ん?と顔を向けたらチュッと触れるだけのキス。
それだけで胸がいっぱいになった。
だってキスすらおあずけだったから。
出来るようになったんだって嬉しさが込み上げてくる。
そこからは手を繋いで寝た。
バカなことに物足りなさを感じながら。
翌日は足りない生活用品をドライブがてら2人で買いに行った。
2ヶ月とはいえ運転してなかったから最初は怖かったみたい。
でもすぐ慣れてたけどね。
運転する姿も久しぶりに見る。
しかも今は助手席から。
手を繋いで歩いてる時が幸せで仕方ないよ。
ジロウの隣は居心地が良い。
その2日目も夜、バカな私は懲りずに期待してしまったんだ。
今日こそはあるのかな?って寝る時間が迫るにつれてドキドキしていた。
そして、やっぱり昨日と一緒で私を抱き締めて眠りについたジロウを見て、まだ無理なんだって気付いて自分の愚かさが身に沁みた。
こういうのは口に出して言うもんじゃない。
相手の気持ちを察するものなんだね。
まだ走ったり運動もろくに出来ない身体なのにね。
だからジロウが大丈夫って思えるまで待ってるよ。
ひとつになることだけが繋がりじゃない。
勿論、それも大切なことだけど同じ目線の気持ちに寄り添うことが大切なんだって気付いたよ。
だって朝、目が覚めた時に私が隣に居ることが凄く幸せだって言ってくれたもん。
これからどれだけの時間がかかるのかはわからない。
でも2人の気持ちは確実に育っていくよね。