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甘い蜜は今日もどこかで
第9章 【離れない永遠に】
そして、皆が一斉に何で持ってたのかは謎だけどパンパンパン!とクラッカーを鳴らして「Congratulations!!」と声を合わせてきた。
音にビックリして耳を塞ぐ私たちも、やっと状況を把握して笑った。
まさかその場に居た皆に祝福してもらえるとは思ってなかった。
「社内カップル第1号誕生〜!」と今度は拍手されてたくさん冷やかされる始末。
「バレてないとでも思ってたの?皆、気付いてたわよ、やっと言ってきたって即皆に報告よ、ねぇ?」って吉原さん。
皆もウンウンと頷いている。
え………?バレてた………?やっぱり………?
嘘でしょ………?恥っっず!!!
「もうね、ジロウが入院した日なんて椿可愛いの、泣いて泣いてジロウに会いたい〜って、私まだ報告聞いてないけどやっと自覚したのかと思って〜」
出た、吉原さんの挑発攻撃。
「私に何で教えてくれなかったんですか!って食って掛かってきたの、怖かった〜!一日たりともお見舞い欠かさずに毎日毎日ジロウの傍から離れなかったよね、やっぱりアレが効いて結婚に踏み切るのね〜おめでとう〜!」
「や、やめてください」なんて言っても冷やかしは終わらないだろう。
「指輪してる〜!なんてプロポーズされたの?」って皆も言いたい放題だ。
真っ赤になる2人を完全に面白がっている。
「コソコソしてても私の目は誤魔化せないわよ?」
ごもっともです。
「まぁ、ジロウの片想いはだいぶ長かったわね、ヘタレ過ぎて呆れちゃってたわ」
「え、知ってたんですか?」
「あんた、椿の見る目だけ他の子と全然違ってたから」の声には皆もまた頷いている。
いや、それ言われた方が恥ずかしいから。
「椿も椿で押しては引いての繰り返しだったわね?お互いヘタレなカップルも珍しいわね」
ヒィ〜もうやめて。
反省してます。
反省してます。
報告が遅れたこと、改めて謝罪する。
それすらニヤニヤして聞かれて。
「真面目な2人だから私の言ったこと守ろうとしたんでしょ?」って。
「え?だってマネージャーとキャストは恋愛なんてご法度だって……」