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甘い蜜は今日もどこかで
第2章 【曖昧なカンケイ】
珈琲とおやつのクッキーをお持ちして暫しのティータイムを。
資料とにらめっこしていた副社長は眼鏡を外しソファーにもたれ掛かる。
「藤堂さんもちょっと休もうか」
「5分ほど眠られては?起こしに来ますよ」
「え?」
「たかが5分と思われるかも知れませんが目を閉じて心を無にする……それがあるのとないのでは雲泥の差らしいです、ひざ掛けお持ちしますね」
「いや、良い」
そう言って私の腕を取り隣に座らせたのだ。
「わわっ」と変な声出しちゃって腰を下ろしてしまった。
「横になるならこっちが良い」って突然の膝枕。
「え、いや、副社長それは……」
「お願い、5分だけ貸して」
えっ、膝を!?
「じゃないと藤堂さんも休まないから」って私は別に休む必要はない。
どんなに忙しくても身体の休ませ方は熟知しているから。
その辺もプロなので心配には及びませんが……もう寝ちゃってる。
こうして見ると睫毛長い。
鼻も高いし肌めちゃくちゃ綺麗じゃない?
髭も生えてないしツルツル。
脱毛?
少し髪も伸びてきましたね。
それくらい一緒にお仕事してきたのか。
5分が経過し起こしに掛かる。
ものの数秒で眠りに落ちた副社長はハッとしてけどボーッと見つめてくる。
慌てて起き上がるから「痛っ」と頭を抱えた。
「大丈夫ですか?お薬お持ちしましょうか?」
時々頭痛と闘ってらっしゃる。
偏頭痛だと仰っていたけれど。
「いや、大丈夫」ってこめかみを揉んでいる。
しゃがんで副社長の顔色を見ていた。
本当に大丈夫かどうかを見極める為だ。
目が合ってジッとしてるから10秒ルールかな?と思い私も見つめ返す。
「藤堂さん、ごめん、ちょっとだけ」ってその場で抱き寄せられた。
ソファーに座る副社長の脚元でしゃがんでいた私。
コレは身動き出来ない、予知出来なかった。
「本当ごめん、1分だけ……お願い、このままで」
耳元でそう言われた時の吐息が熱くて。
動きにくいからとジャケットは脱いでネクタイ付きブラウスだった。
副社長もYシャツにネクタイだけで、一気に伝わってくる体温。
この状況は非常にヤバい。
振り解かなきゃ……何してるの。