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甘い蜜は今日もどこかで
第2章 【曖昧なカンケイ】
オートロックを解除してドアを開けた時、手を重ねて握り止めに来た。
「僕だから気付いてるんです、椿さんのちょっとした変化に……もし万が一、あの人との間に間違いが起きてたんなら僕は遠慮なく奪い返しに行きますよ」
「間違い?間違いって何?ジロウこそ可怪しいんじゃない?」
「椿さん………俺、」
「ごめん、疲れてるってば……今日はもう解放して?一人にさせて……おやすみ」
そう言い残してドアを閉めて中に入った。
何を言おうとしたの?
奪い返しに行くってどういうつもりで言った?
何も出来ないヘタレのくせに。
互いに吐いていた溜め息は小さく夜の空に消えてった。