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甘い蜜は今日もどこかで
第1章 【本当は嫌なのに】





この前酔っ払いながら深夜にポチポチして思わず購入してしまったジロウ専用の服や生活用品。
アレもコレも…となって結構な金額になっちゃったけど楽しかった。
「あの、椿さん、コレ……正気ですか?」とシャワー浴びて着てくれたルームウェアにお腹を抱えて笑い転げる。




大きな耳のついたワンちゃんフードが可愛い着ぐるみ風パジャマ似合い過ぎてて。
ちゃんとフードも被って登場するあたり、わかってるね。
見つけた瞬間、ジロウに着せようって思ったんだ。




一緒に歯磨きするのって意外と恥ずかしいもんだね。
同棲してるっぽい。
コップに歯ブラシ2本、戻す時ニヤついてたの見たよ。
手を取って私の寝室へ。




「ちょっ、ちょちょちょ、僕はこっちで」とゲストルームの前で手を離してきた。




「布団ないよ?」




「えっ!?じゃ、じゃあソファーで寝ます」




「私、ソファーで寝る人嫌い」




「えっ?じゃ、床で良いです!」




「何勘違いしてるの?これ以上は何もしないってば、癒やしてくれるんでしょ?マッサージまだだし」




「あ、マッサージ、はい、やります!」




このオドオドした感じや、ホッとして笑うところとか可愛い犬なんだよね。
キングサイズのベットにうつ伏せになり全身マッサージを受ける。
タオルを敷いてその上から凝りを解してくれるの。
ジロウの指圧最高……寝落ち確実。




ウトウトして眠りに落ちていく。
翌朝には仲良く手を繋いだまま同じベットで寝てたとさ…………え?
ギュッと握ってるのは私の方で、何がどうなってこうなったかはわからない。
全く覚えていない。
マッサージが気持ち良かっただけ。




ちょうどアラームが鳴ってジロウは飛び起きる。




「ハッ……おはようございます」




寝ぼけ眼でアラームを消して、私が起きてることに気付いたみたい。




「ん………おはよう、結局こっちで寝たんじゃん」




「え……いや、あの、これは……椿さんのせいです」




「え?私!?」




というより何より、部屋に射し込む朝日が部屋全体を明るくしていて、お持ち帰りしちゃった翌日の朝……みたいだ。
髪の毛ハネてるジロウが可愛い。








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