この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
呪われた王宮~宿命を負う聖少女の物語
第53章 傷追い人(アズート)
「大丈夫・・・しっかりして」
「ううっ、水・・・水をくれ」
血で曇る目を男はマチルダに向けた。
マチルダは腰につけた筒を取り出すと、男の口に近づけてやった。
時折むせるようにしながら、男は喉を鳴らして飲んでいく。
マチルダの瞳が揺れている。
金色の光を宿して。
「ふーっ・・・・」
人心地ついたのか、男は血だらけの顔を歪ませて声を出した。
「な、何だって俺を助ける・・・?」
男の目がギラツイテいる。
欲望を宿す、濁った色だ。
「ううっ、水・・・水をくれ」
血で曇る目を男はマチルダに向けた。
マチルダは腰につけた筒を取り出すと、男の口に近づけてやった。
時折むせるようにしながら、男は喉を鳴らして飲んでいく。
マチルダの瞳が揺れている。
金色の光を宿して。
「ふーっ・・・・」
人心地ついたのか、男は血だらけの顔を歪ませて声を出した。
「な、何だって俺を助ける・・・?」
男の目がギラツイテいる。
欲望を宿す、濁った色だ。