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呪われた王宮~宿命を負う聖少女の物語
第54章 戦禍(アズート)
兵士達が追いかけてきた。
絶望と恐怖がマチルダの頭を駆け巡る。
ジューム国は滅びようとしていた。
わずかに残った人々は勇敢に戦ったが破れ、散り散りになっていた。
家には火がつけられ、燃え広がりながら辺りを赤く染めていた。
神殿への石畳の道をマチルダは走った。
そこは迷路の如く入り組んでいて、異国の者では直ぐに迷ってしまう。
案の定、兵士達は一人二人と少なくなっていった。
人影がなくなりホッとしたのもつかの間、男が一人追いかけてきていた。
執念深そうな顔をしている。
神殿を見下ろすテラスにマチルダを追詰めると、不敵な笑みを浮かべて近づいてくる。
絶望と恐怖がマチルダの頭を駆け巡る。
ジューム国は滅びようとしていた。
わずかに残った人々は勇敢に戦ったが破れ、散り散りになっていた。
家には火がつけられ、燃え広がりながら辺りを赤く染めていた。
神殿への石畳の道をマチルダは走った。
そこは迷路の如く入り組んでいて、異国の者では直ぐに迷ってしまう。
案の定、兵士達は一人二人と少なくなっていった。
人影がなくなりホッとしたのもつかの間、男が一人追いかけてきていた。
執念深そうな顔をしている。
神殿を見下ろすテラスにマチルダを追詰めると、不敵な笑みを浮かべて近づいてくる。