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呪われた王宮~宿命を負う聖少女の物語
第54章 戦禍(アズート)
「ううっ・・・い、痛ぇよぉ」
さっきの残忍な表情は消え、痛みと恐怖に引きつった顔はまるで子供のようだった。
マチルダの優しい心に、哀れみの気持ちが込み上げてしまう。
「トドメを刺すんだっ・・・」
老人達は神殿へ目指して迷路に向かっていった。
一人残されたマチルダは一瞬ためらっていたが、キッと顔を上げるとヒラリと飛び降りていった。
少し強く足を打ったが何とか無事に着地した少女は、血だらけでうめいている男を肩に担いだ。神殿への道に人影が無い事を確認すると、石門をくぐり奥へと急ぐのだった。
マチルダの力では運ぶのが大変だった。
しかも男は愛する老婆や村人を殺した憎い仇の筈なのに。
さっきの残忍な表情は消え、痛みと恐怖に引きつった顔はまるで子供のようだった。
マチルダの優しい心に、哀れみの気持ちが込み上げてしまう。
「トドメを刺すんだっ・・・」
老人達は神殿へ目指して迷路に向かっていった。
一人残されたマチルダは一瞬ためらっていたが、キッと顔を上げるとヒラリと飛び降りていった。
少し強く足を打ったが何とか無事に着地した少女は、血だらけでうめいている男を肩に担いだ。神殿への道に人影が無い事を確認すると、石門をくぐり奥へと急ぐのだった。
マチルダの力では運ぶのが大変だった。
しかも男は愛する老婆や村人を殺した憎い仇の筈なのに。