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呪われた王宮~宿命を負う聖少女の物語
第56章 消えた男(アズート)
※※※※※※※※※※※※※※※
(幸せになるのだ、マチルダよ・・・。)
最愛の少女の面影を胸に残し、僧侶は聖堂への暗闇を歩いていた。
もう何十年も通った道は、目を閉じても歩ける程であった。
しかし僧侶は油断無く歩を進めている。
マチルダが助けた男が聖堂にいる筈だ。
邪悪な魂を宿しているという。
マチルダをあれ程怯えさせる位、強大な悪魔の心を持つ者だろう。
(早く行って、トドメをささねば)
いくら慈悲深い僧侶でも、そんな汚れた魂を神聖な聖堂に置きたくは無かった。
(幸せになるのだ、マチルダよ・・・。)
最愛の少女の面影を胸に残し、僧侶は聖堂への暗闇を歩いていた。
もう何十年も通った道は、目を閉じても歩ける程であった。
しかし僧侶は油断無く歩を進めている。
マチルダが助けた男が聖堂にいる筈だ。
邪悪な魂を宿しているという。
マチルダをあれ程怯えさせる位、強大な悪魔の心を持つ者だろう。
(早く行って、トドメをささねば)
いくら慈悲深い僧侶でも、そんな汚れた魂を神聖な聖堂に置きたくは無かった。